未来に流れ着いて、驚いたことはたくさんある。
乱菊ちゃんや、桃ちゃん、シロちゃん。恋次くんにルキアちゃん。
かつて出会った子供達が、立派に成長し、死神になっていた。
まるで、成長した我が子を見ているような、誇らしい気分になった。
みんな、変わった。変わらざるを得なかった。
そして、私は変わった彼と会って話すことは不可能だと心内で呟いた。

アルトゥロとの戦いが終わり、征源様を助けるため、虚圏へ向かい。
全ての戦いに幕が引かれた。
そして。
「・・・はぁっ」
宮能 まつ梨はため息をついた。
ため息をつくと、その分だけ幸せを逃すというが、まつ梨はそんなことを気にする性分ではない。
今までの戦いを思い返してみる。
アルトゥロの戦いで、伊花を失い。
そのまま、未来の現世に流され。
一護達と出会い、かつての見知った仲間と再会し。
兄と、尊敬すべき育ての親である人を探し。
そして。
「色々あったなぁ・・・」
本当にいろいろあった。
泣いてしまいそうな時だってあった。伊花が亡くなったと聞いた時は何の冗談かと思った。
見知った人は多くいたが、亡くなった人もいた。
その中に伊花がいたと聞いた時には、涙が出た。
藍染や、三番隊隊長と九番隊隊長の裏切り。
あまりにも変わってしまった世界にくじけそうになった。
それでも諦めなかったのは、支えてくれる人がいたから。
だからこそ、今ここに立っているのだ。
今度、刀を抜く時は何のために戦うのか。まつ梨は想いを馳せる。
きっと、その時は藍染率いる破面たちと戦うのだろう。
「・・・負けないわ、絶対」
昔から負けず嫌いで、諦めが悪いと、海燕にからかわれたことがある。
最近では、それはさらに酷くなっている気がする。
それは、きっと守りたいものが増えたから。
だから、負けられない。
だから、諦めない。
今は次に来るべき戦いのため、輪廻の果てに旅立ったあの二人を見守りながら、鋭気を養う。
背中を預ける仲間と言ったオレンジ色の髪を持つ高校生の姿を発見し、まつ梨は「おーい」と呼びかけながら、手を振る。



未来を、掴み取るために





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