死にたいからだ、と。
そう告げたノイトラがやけに小さく見えた。
別に彼が縮んだわけでもなく、ただの錯覚だろうと思ったが、ネリエルはすぐに考え直した。
その言葉を聞いた日から、ノイトラが死んでしまうのではないかと、常に疑う日々を過ごした。
まるで、野良猫の世話をしている気分になる。
あなたが弱いから、と。
そう告げた時のノイトラの表情を思い出す。
絶望的な、信じられないというあの顔は、幾千の言葉を並べても、きっと表現しきれない。
テスラという従属官を連れていても、ノイトラの危うさは消えてしまわない。
不安定で、危険で、獣のようで。
一体、どこを目指しているというのか、理解できない。
だから、なのだろうか。
彼を守ろうと思った。
ノイトラは、予想通りに反感を示したが、ネリエルには関係ない。
ただ、その祈りにも似た死を、消し去ってしまいたい
――謳うように、祈って
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